マイナス思考人生指南書

マイナス思考人生指南書 (ニシカゲ)

こんにちはニシカゲです。皆さんはプラス思考ですか?マイナス思考ですか?

 じめに

 

プラス思考とマイナス思考、どちらの生き方がよいかと言われればおそらく多くの人がプラス思考と答えるのではないだろうか。実際本屋の成功者の体験記などの文中には「プラス思考」や「前向きに生きろ」といった言葉が溢れかえっているし、自己啓発セミナーの会場は「これからプラス思考で生きていこう」という空気であふれかえっている。逆に「マイナス思考」の素晴らしさを書いた自己啓発本なんて見かけないし、「マイナス思考」の空気が充満している集会なんて自殺サイトのオフ会ぐらいだろう。

私自身のことを言えば、「私は生まれも育ちもマイナス思考」と言った感じで今まで生きてきている。小学生の高学年の頃に一度だけ「プラス思考」に鞍替えしようとした時があったが、想像以上に疲れてしまって失敗してしまった。以後私は「プラス思考」に浮気することなく「マイナス思考」とともに人生を歩んできたのであった。

マイナス思考に生きる人たちの周りの人間はもれなく「プラス思考に生きろ」と勧めてくる。逆に言ってやりたい「じゃあ積極的に行動起こして失敗したら責任を取ってくれるのか」と。たった一度の人生、たった一つの命なのにそんなに安易に行動できるわけない。他人がそんなに「やればできる」「小さいことは気にするな」とプラス思考の声援を送るのはまさに他人だからであり、別に成功しようが失敗しようが何のダメージを受けない人達だからである。プラス思考の言葉を贈るのは、耳さわりがよくその言葉を受け取った方も言っている方も一時的に気分がよくなるからである。逆に「できるわけねーだろ馬鹿!」と罵倒しようものなら四方八方から「かわいそうだろ」や「そういうこと言うなよ」といった言葉が飛び交ってくることだろう。

前置きが相当長くなってしまったが、私は別にプラス思考という考え方を否定するつもりはない。ただ人間には向き不向きというものがあるのでプラス思考の生き方が合わない人間もいると思う。だが、世間はプラス思考を無理に押し付ける。プラス思考になって、成功した人の声は、講演会を開くなり本を出版するなりして世間に出回る。成功した人は他の人に自慢したくてたまらないからだ。しかし、「プラス思考で生きてみようと思ったけどやっぱりだめだったよ……」という人の声は聞くことができない。自分の失敗談なんて進んで話したがる人はいないからだ。こうして、「プラス思考の不敗神話」が生まれ、世間一般の衆愚どもはプラス思考を讃え、マイナス思考を持つものを駆逐していくのである。プラス思考が合わない人でも「プラス思考って疲れるし、特に良くならないし……でもプラス思考じゃないと」と人間になりたくてもなれない妖怪人間のごとく苦しむことになるのである。私は別にマイナス思考にはマイナス思考なりの生き方があってもいいと考えている。しかし、プラス思考人生の手本になる本は数多く存在するがマイナス思考のための手本となるものは存在しない。

そこで私はここにマイナス思考で生きていく方法を書き記すことにした。プラス思考が合わないと思う人はぜひこれを参考にして欲しい。

 

 

 

マイナス思考人生指南書

 


 

ステップ1 他人の言葉をネガティブに翻訳しろ

 

 

 

日本人と言うのは自分の思っていることを直接的には伝えてこない。心にもないお世辞を言ったりどっちつかずの曖昧な発言をするため本当はどう思っているか推測するのは非常に難しい。これは、すべてネガティブに受け止めるに限る。すなわち、褒められたときは馬鹿にされているのだととらえ、曖昧な発言も悪い方にとらえるということだ。「マイナス思考すぎないか」と思うかもしれないが、お世辞を真に受けてへらへら笑っている姿を陰からくすくす笑われるよりましだ。

 

例1「へーすごいねー」「分かるー」「面白―い」→「心の底からどうでもいい」

 

こちらから自慢話などを仕掛けたときの反応。「へー」などの伸ばすタイプの反応はつまらないということを暗に示している。こういう反応をされたらおとなしく引き下がって話の中心をコミュニケーション能力にたけたイケメンに譲り、以後二度としゃべらないのが望ましい。

 

例2「行けたら行く」「うーん、どうしようか」→「正直かったるい」

 

こちらが友達(こっちが一方的にそう思っている場合も)を誘ったりするときの反応。相手は嫌がっていると考えたほうがよい。もしあなたがいっしょにいたり一緒に遊んだりして楽しい奴だったら断るはずなく、用事があるならあるでこんな曖昧な答え方をする必要もないからだ。こういう反応をされた場合、自分は嫌われ者だということを自覚し、2度とその人の視界に入らないのが望ましい。

 

例3「○○君すごい!」「○○さん、かっこいい!」→「とりあえず褒めといて後でたかろう」

 

こんなことを言われたらまずトイレにでも行って鏡で自分の顔を見ながら自問自答するとよい。「本当に自分はすごいのか?」「本当に自分はかっこいいのか?」と。もし、自信を持って「自分はかっこいい!」「自分はすごい!」といえるのなら、その真偽にかかわらずあなたはプラス思考の人間だ。このページをそっと閉じてコンパにでも参加するとよい。

こんなふうにべた褒めするということは腹に下衆な考えを持っているからに他ならない。自分を変にべた褒めする人物が現れたら「これは罠だっ……」と相手も睨み付け、以後24時間カイジのように思考を張り巡らせて過ごすのが吉。

 

 

ステップ2 行動を起こすな

 

 

 

 脱サラして独立しようとか、就活するくらいなら会社設立するとか夢のあることを言っている奴がいるが、そんなことをして成功するのはほんの一握りだけだ。「たまごを割らなければオムレツは作れない」という格言があるが、この指南書を見ている人は「自分は所詮ウズラの卵くらいの器しかないし、割ったところで卵かけごはんも作れない」と自覚すべきだ。「行動してみようぜ!」などと言う奴はほぼ100パーセント私たちのような弱者からむしりとろうとしている連中だ。以下、日常に潜む「行動しよう!」の罠を列挙してみたので参考にしてほしい。

 

例1「合コンしよう!」

 

 合コンの主催者は自分よりも容姿の劣った者を誘うことがある。これは、スイカに塩をかけるようなものであり、自分をブスの中に置くことで、自分を少しでもましに見せようとしているのである。

 合コンに誘ってくるということは、「お前引き立て役になってくれ」と言っているのと同じである。合コンに誘われることがあったら丁重に断って、家に帰り布団をかぶり「合コンなんてなかったんだ」と現実から逃げるのがよい。

 

例2「会社設立しようぜ!」

 

言っておくがほぼ100パーセント失敗するだろう。このご時世、就職するのが難しいが、だからと言って馬鹿の蛸踊りに付き合う必要はない。こんなことを言い出す馬鹿は就活という現実から逃れようとしているだけで、どうせ本当に設立なんてする気ないのだからただの時間の無駄だ。ただの現実逃避の雑談ならまだいいが、実際に中途半端に行動すると金と時間の両方を失うという目も当てられないことになってしまう。本気で「俺会社設立する!」という友人がいたら殴って止めてやるのが真の友情と言うものだ(どうせ友達なんていないかもしれないが)。

 

例3「○○部(○○サークル)入ろうぜ」「バンド組もうぜ」

 

 漫画だと初心者から部のエースへと成長し、素敵な青春ドラマが始まるところだが、現実でははじまらない。諦めろ。

 なお、バンドだが楽器を買うと結構金がため、途中で覚めた時のダメージが大きいということを憶えておこう。

 

 

ステップ3 希望を持つな

 

 

 

 こんな殺伐とした世の中で、良いことなんてあるはずない。希望を持って行動していれば、いずれそれは大きな失望に変わることは確実である。逆に悪い風に悪い風に考えていればダメージは受けないで済む。「逃げの発想」だという人がいるかもしれないが言いたい奴には言わせとけばいい。私たちはマイナス思考の覇道を突き進もう。

 

例1 

 

プラス思考「宝くじ当たったら何買う?」

 

宝くじなんてまず当たらないようにできている。当たるはずないのに当たったら何を買うか話すなど不毛すぎる。

 

例2

 

プラス思考「今日遊ぼうぜ」

 

マイナス思考「もうすぐテストあるし」

 

プラス思考「大丈夫何とかなるって」

 

 

 

 こんなこと言っている人に限って大丈夫じゃなかったりする。そいつ一人が破滅するならまだいいが、周りの人も巻き込んで「まあ何とかなるだろう」という気にさせるからたちが悪い。プラス思考で単位は買えないので、テスト前くらい究極にマイナス思考になって「落としてしまうかも」という恐怖に震えながら勉強するのも悪くないと思う。

 

 

 

最終ステップ 地球滅亡に賭けろ

 

 

 

今まで、散々マイナス思考の生き方を勧めてきたが「これじゃあなにもできないじゃないか」と思ったことだろう。結論から言えば私たちは何もする必要はないのだ。なぜかというと人類は2012年に滅亡するからである。

「2012年人類滅亡説」はマヤ文明で用いられていた暦の一つである長期暦が2012年の12月に区切りを迎えることから連想された説である。この説を題材にした映画も最近あったので知っている人もいるかもしれない。

この人類滅亡と言うのが、大地震なのか隕石の衝突なのか核戦争なの原因は分からないが、いずれにせよこの人類滅亡説は普通の人間にとってはとんでもない話だ。今までにやってきたことすべてが無駄になり、夢も希望も無くなるのだから当然だが、もともと夢も希望もなく将来は真っ暗闇で今まで何もやってこなかった私たちにとっては何の関係もない。むしろこの人類滅亡説はマイナス思考の生き方が正しかったことを証明している。

さあ、人類滅亡まであと3か月。これからは私たちの時代だ。何も知らずに前向きに行動している奴らを見下しながら貯金を全額おろし、会社を辞め学校を退学し、心行くまで人生の余生を楽しもう!     

 

※滅亡しなかった場合責任は負いかねます

 

 

 

 

 

まとめ

 

人生は自分のものであり、自分ですべて決める義務と権利がある。人生の生き方についてアドバイスをくれる奴があなたのまわりにいるかもしれないが、あなたが他人の人生をどうでもいいと思っているのと同様その人もたいしてあなたのことを心配してくれているわけではない。自己啓発本で自分の人生は簡単には変わらないし、それで自分を変える必要もない。自分のことを本気で考えてくれるのは自分しかいないのだ。ましてやこんなバカげた指南書を読む必要もないのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(文・ニシカゲ、イラスト・マッスルとめ次郎

 

 

ニシカゲ

 

陰の者

 

 

マッスルとめ次郎

 

みんな愛してるから、僕は大丈夫


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これからは新しくなったモッケイエンタテイメントをお楽しみください。 

 

 

 

 

 

 

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